第40回 天賞・地賞・人賞・選者賞

一般の部

俵万智選【天賞】 ひとくちの白きごはんを運ぶ箸母と子の口ひとつにひらく

俵万智選【地賞】 米を研ぐ一日二合の米を研ぐ六十年かはらず吾は老いたり

俵万智選【人賞】 放棄田の甦りたる水田に風生れ早苗がそよそよそよぐ

【橋元俊樹賞】 吾もてるポケット四つ喜怒哀楽このごろやけに「哀」が膨らみぬ

【立石千代女賞 】 ビニールの凧北風に鳴りながらやつとあがりぬ男の子の空に

【浜名理香賞 】 旅好きな父だったねと語るたび車中は潮の香りで満ちる


高校生の部

俵万智選【天賞】 歌ったら世界が平和になるような丸い地球をここにください

俵万智選【地賞】 ミスをして俯く君にかけた声昔の自分に言いたかったこと

俵万智選【人賞】 正解に近い涙をさがすため人は歩いてゆきます 海へ

【橋元俊樹賞】    教室のロッカーの中に青春がいたはずだけど鍵が錆びてる

【立石千代女賞】 潮の香にアクセル捻る夏の道海と空との境を駆ける

【浜名理香賞】  枝垂れ木の今にも水面に触れそうな隙間で朝が微睡んでいる


中学生以下の部

俵万智選【天賞】 けんかして仲直りしたその後の気持ちはまるで紙飛行機だ

俵万智選【地賞】  待ち焦がれ屋台の灯り並ぶ時友の声する白川夜市

俵万智選【人賞】  夏祭り初めて浴衣を着て歩く小さい歩幅歩きなれない

【橋元俊樹賞】      上井手と下井手用水昔からそして水車も大津の遺産

【立石千代女賞】   翔んでゆけキーパーいない右側へ車のように加速してゆけ

【浜名理香賞】    夏休みピンポンなった誰だろう扉を開き遊びに行こう

五足の靴顕彰全国短歌大会

与謝野鉄幹、北原白秋、木下杢太郎、吉井勇、平野万里ら5人の文豪による紀行文「五足の靴」の中心舞台となった天草を、文化の島として発信し、「五足の靴」の足跡と旅の意義を再認識するとともに全国に顕彰し、文学と風土について考える文化交流の場を設けることを目的として五足の靴顕彰全国短歌大会を実施しています。